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ゲームアプリ運営の分析ノウハウ vol.3 この状態のアプリはやべえ編

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はじめに

皆さんお久しぶりです。れいです。
近しい友人(アプリ運営を長年経験)が転職することになり、色々話してみましたがやべえ状態ってあるんやなと思ったので共有します。
これは…他山の石としてください。

この記事はゲームアプリ運営の分析ノウハウ vol.2 新規登録者編の続き…?です。

お題目

特に気になった2論点(組織、アプリ)、それぞれ3点について共有します。

組織目線

・売り上げ目標が昨年度より高い(実績は前年度比でもちろん下がっている)
・収益と給与が連動しない(インセンティブがない)
・広告運用が別組織

アプリ目線

・「いつか終わること」を考えない
・遊びの軸を増やすことをしない
・必殺技(笑)

胃が痛い…(>_<) こうなるとサービス終了しか見えてこないんですよね

売り上げ目標が昨年度より高い(実績は前年度比でもちろん下がっている)

ソーシャルゲームバブル、アプリゲームバブルは終了しました。
アプリゲーム自体、昨年度の売上より今年の売り上げが下がるのは当たり前すぎます。

もし、維持・向上するには?

今売れているタイトルのパターンは、以下4つです。
・超巨大・ハイクオリティ(原神、ウマ娘、鳴潮等)
・覇権(モンスト、パズドラ等)
・ライト系…?(キノコ伝説、異世界のんびりライフ等)
・ハイパーカジュアル
ハイパーカジュアル、これは1つのゲームでの順位は高くないものの大量生産をし、売上の総合力で戦います

超巨大・ハイクオリティを作るにはふつーの会社には無理です。体力(資金力)が足りません。
ライト系、ハイパーカジュアルはゲームらしいゲームじゃないので、そちらに寄せるのは厳しいです。今あるゲームのそのシステムに(多分)合いません。

\(^o^)/オワタ・・・やんけ?
そうです。基本は撤退戦です。
今までが異常だったと言えばそうなんですが、目標を作っている人たちは正常な判断が出来なくなっています。

もしですよ・・・できるならですが、遊び方を変える必要がありますね。
ただし、今よくあるアプリゲームは、作り込みすぎて遊びの幅をほぼ使い尽くしているんですよね。
初期に構想されていた内容を使い切っちゃってる、または度重なるインフレで初期のシステムがオワコンになってることが多く、拡張性がありません。

収益と給与が連動しない(インセンティブがない)

売上向上に強いインセンティブがなく、かつ売上向上の寄与度の分析や、その評価の仕組みもないと厳しいですね。
売れたゲームの保守・運用を行っていればドル箱になっていました。
その際、中の人たちの貢献度を評価しているゲーム会社って相当少なかったです。

ただ、頑張ればアイデアが出て売上が上がるというよりも、ガチャのシステムに売上が依存しているのでこれも厳しいのは厳しいんですが。

ガチャが強すぎて、売上を立てる方法論が開発されてこなかったのもあるでしょう。
最近よく見るのは広告削除だったり、ゲーム内の利便性向上で1,000円~の商品も見かけるようになりましたが、ガチャだと課金者の月平均で15,000円~ですからねえ…。
売上が立つのでそれに合わせて大きくなりすぎました。

商品を新しく作っても支出が大きい場合は焼け石に水なので、撤退戦と位置づけて方法論を考える必要があるかと思います。
売上額ではなく利益率でみるプロジェクトはほぼなかった気がしますね…。

「利益率高く撤退戦ができる人」← 大事

ふつう、プロジェクトを終わらせないように頑張らせるので、いつこの実質:撤退戦が終わるのかもわからない。
それではモチベーションも上がりません。

広告運用が別組織

こちらは割と真面目に、アプリゲームって「広告費を売上にいかに変えるか」がルールです。
特にハイパーカジュアルはその気が強いです。

ゲーム以外の他サービスを運営している会社では結構あるんですが、ゲーム開発と広告運用が別部門って死亡待ったなしなんですよね。
長期目線で顧客との信頼関係を醸成する必要があるようなサービスとは違い、短期スパンでゲーム内・ゲーム外のモノゴトが移り変わるんですよ…。

広告運用の思考がめちゃくちゃ違うんで分けたほうが絶対ええんやけど。
しかも、ゲームタイトルによっても挙動が大きく違うので、ゲーム部門独立かつゲーム別での広告運用をしないと厳しいでしょう。。

「いつか終わること」を考えない

「売上を継続させるためにインフレさせる」という場当たり的な方針が取られることが多いです。
その結果、ゲームが壊れていきます。

遊びの深さ、やり込み度合いはそれで増えるかというと…「その時にプレイしている人」以外には増えないと考えられます。

何故かというと、インフレすることはゲームとして10段階あったはず階段を最上段まで一気に飛ばせるキャラが出てくることと同等です。
「強さ」の軸が少ないと、その間のゲームシステムは死んだも同然です。
何もしなくてもクリアできますから。

新しく出たキャラでもそれらの階段を何等かの創意や工夫があって乗り越えていく(ゲームできる)なら良いですが、そんなにうまくゲームバランスを取れるゲームは稀です。
インフレさせつつ、全体の整合性をもって・・・そんなに考える時間はありません。

つまり、新しく始めた人は実質的に別ゲーをプレイしている状況になります。
ゲームシステムは同じで、どこかバランスがおかしものをプレイすることになります。
それが積み重なっていく。

継続している人も、資産が積み重なっていくことにより、自分の取れる行動に制限がかかっていきます。
ゲームだったものがいつしか作業になります。

その解決策として、「いつか終わらせること」「次につなげること」を提案します。

遊びの軸を増やすことをしない

インフレにも幅があり、遊びの軸・幅を増やすことをしているゲームはほとんどありません。
例えるなら、これまで力が100だったものを1000にして、1万にして…のように直線状に強くしていくだけです。
ボスのHP、防御力だけが増えるとかあるあるですよね。

モンストやパズドラのように「ギミックが増えていく」方向性もありますが、その場合も軸はそれほど増えません。
「ギミックをクリアする」という一定の方向性は変わりません。

遊びの軸を増やす例としては、例えば、モンストであれば、マップに高低差の概念を入れたり、それに関連してキャラクターが地面に居るか一時的に浮遊しているか、のようなものです。

現実のおはじきやピンボールなら、球はふつうに一瞬浮きますからね。
そのように、軸を増やすことによって「考えてクリアする」パターンが増えていきます。

その結果、ルールが複雑化していくので・・・ある程度までで打ち止めしないと理解が追い付かないゲームになってしまい、一般受けしなくなっていきます。
そのため、バランスがいいうちに終わらせることも必要でしょう。

必殺技(笑)

リリース当初であると「必殺技」扱いだった技が、アップデートやインフレを重ねることで無意味な技になりやすいです。
必殺技(笑)ですね。

例えば、敵のインフレに合わせて、各キャラクター固有の技や通常攻撃を強くしていくとします。
必殺技は、キャラ×キャラでの組み合わせで発動すると仮定すると、キャラが増えれば増えるほどアップデートが難しくなります。
組み合わせが爆発するので。
10キャラ10キャラ×10キャラ=100通りですが、100キャラなら1万通りです。

その結果、ある時点からキャラクターの技や通常攻撃のほうが強くなってしまいます。
使いませんよね。

「その必殺技を消す」という方法を取ることができればよいのですが、ゲームシステムの根幹に位置していたりするので消せない、消したら不具合が出る…とかあるあるなんですよね。

これも終わらないからこそ起こる良くない現象です。
ゲーム以外のサービスなら、別に切り出して作るよね?というところで作りません。
全ては延命のためです。

まとめ

これまでの言及をまとめて言うと、

サービスの提供ではなくゲーム、遊びの提供をしてるんやぞ

ってことですね。
そこには、ストーリーがあり、終わりもあります。
便利さで選んでいるわけではないんです。

以上。

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