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個人制作ゲームが陥る罠

投稿日:2018年9月9日 更新日:

個人制作のゲームには得てして「人が集まらない問題」があります。
それはなぜでしょうか?分析してみましょう。

まず、市場原理の理解から始めます。

例として、ある商品(iPhone7)をアマゾンに出して売ることをはじめましょう。

iPhone7を欲しい人がいっぱい居ると、定価で売ればいくらでも売れると思いませんか?
もしかしたら、定価より高くても早く欲しいという人もいるかもしれません。

需要(欲しい!数)が供給(売る数)より多い場合はこうなります。

では個人制作ゲームの場合、どうでしょうか?

現状分析

需要

まず、需要を考えましょう。

ゲームは情報の一種として、消費される商品です。
では、「価値がわからない個人制作のゲームに」時間を使う人は居るのでしょうか。
あなたは強い思い入れが無い限りは、個人より企業が作ったゲームを選ぶのではないでしょうか?企業が作った、つまり「ある程度選別がなされたゲームの方がクソゲーが少ない」と考える人が多いのです。

想像してみてください。
あなたは、1000円拾うことで感じる幸福感と、1000円失くすことで感じる喪失感は合わせて±0になると思いますか?
実はマイナスになります。人間は失う事を非常に恐れるのです。
人はクソゲーで時間を使わされることを嫌うのです。

加えて、ゲーム(もとい情報)の消費量には限りがあります。
下のグラフ「消費情報量」を見てください。

平成21年までのグラフですが、消費情報量はほとんど伸びていません。

あなた自身のライフサイクルもスマホでちょっと変わったとはいえ、
個人的な情報収集・消費に多くの時間を割くようになったでしょうか?
あまり変わらないのが現実だと思います。

供給

下のグラフ、よく見てみると「流通情報量」の異常な伸びがあります。

明らかに生産量過多です。

企業がこぞって参入した結果、情報の生産量が莫大なモノになりました。
需要を圧倒している生産量 → 一つの情報の価値が下がる → 見られない情報が増えるというループに陥っています。

そこにノコノコ個人制作ゲームを売りに行けばどうなるでしょうか?

今後の流れ

それでは、今後の流れから、どうすればいいのか考えていきましょう。

需要

まず、使用者の推移を見てみましょう。

普及率は変わりません。加えて、人口は減っていく予想が出されています。
つまり、使用者はどんどん減っていきます

結論1:使用者は減る。

続いて、世代別の使用時間です。

10代が非常に高く伸びもしています。
30~50代の利用時間が伸びれば、需要は増えると言えるでしょう。

そこで、考慮に入れて欲しいことは2点あります。
・今の10代が10年後には20代になる
・10代に確立したライフスタイルは20代になってもほとんど変わらない
つまり、統計は横滑り(10年経てば10代は20代、20代は30代と横滑り)していきます。
*仕事を始めるなどライフスタイルが変われば、少々の変化は起こるでしょう。

今、精神論を唱えている人たちが10年で合理的になるでしょうか?
ならないでしょう。
10年後は30代が100~120、20代が120~140程度になることが予想されます。

結論2:一人あたりの使用時間は増える。

最後に、各デバイス(パソコン、スマートフォン)の普及率です。

スマートフォンは伸びが鈍ってきました。
今後は、ゆっくり時間がかかるもののガラケーを淘汰しながら伸びていくことが予想されます。
PCはゆっくりと落ちてきています。
これは個人消費の傾向によるものでしょう。
企業ではオンライン作業に対し、正確で早い入力方法や広い画面があるPCは代替されにくいと考えています。
(つまり、入力方法と表示方法が解消されれば、PC要らないってことですね!)

結論3:スマホは今後も安定。

トータルで考えると、
結論1:使用者は減る。
結論2:一人あたりの使用時間は増える。
結論3:スマホは今後も安定。
スマホ対応必須で、リピート率を上げる工夫が必要そうです。

集客の問題は・・・Web上にこだわらないことです。

ゲームをやりたい!という人々が集まっている場所に知らせればいいのです。
例えば、スマホアプリ化してストアに置くなどですね。

供給

今後も情報爆発の傾向は変わらないと思います。
企業が入っているので、仕事でせっせと情報を作り続けてます。

そもそも論

売れるかどうかわからないものを、砂漠のど真ん中で売っていることを理解してください。

「売れるものを売る」「欲しい人の眼の前で売る」のが凡人の戦略として最強です。

ただ、作りたい気持ちはわかります。
というより、自戒のために書いているところが大きいので。

ガチャゲーの「欲しくさせて売る」もすごいビジネスですが、ああはなりたくないですね・・・。

参考文献

総務省:http://www.stat.go.jp/

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